わたしは今、仕事を辞めてからいわゆる専業主婦をしています。そしてこの度、子どもが生まれ、サラリーマンの夫に育休を長期間取ってもらいました。
このことについて、夫が育休に入る前に同僚とよくこういう会話のやりとりがあったようです。
同僚「育休とるんだ~奥さんは仕事してるの?」
夫「してないよ」
同僚「え・・・・・。」
夫はこの沈黙から、”え、奥さん専業主婦なのに夫が育休とるの?”という雰囲気を感じ取ったそうです。
きっとこういった同僚の方々は、育休を”仕事で忙しい奥さんのサポート”としてしか、とらえていないのかなと思いました。”専業主婦は家事育児が専業なのだから、仕事してないなら十分ひとりでできるだろ”、と。
まず夫は”父親”でもあるのだから、育児するのに妻が働いていようがいまいが関係ないし、専業主婦は家事育児すべてを担わなければならないなんて誰が決めたん?というのは置いといて、、専業主婦家庭にもいろいろ考えがあって”夫の育休”をとっているケースがあることを知ってもらいたく、もやもやしたのでつらつら書きました。
そもそも産後はつらい
産むのも大変だけど、産後のつらさは想像してませんでした。乳腺が張って熱が出たり、オマタ問題やお尻トラブル、尿漏れ、体のだるさ、出続ける悪露(出血)、ホルモンバランスの変化によるメンタルの不調・・・産褥期はとにかく隙あらば休息すべきなのです。無事産まれたからといってバリバリ動きすぎると、体の不調が一生治らないようなこともあるそうです。
私の場合は無痛分娩での経膣分娩でたまたま産後の回復も早かったけれど、なかには帝王切開で傷が数か月にわたって痛む人もいれば、産後の子宮回復がうまくいっていない人、大量出血で突如倒れる人などもいますよね。
そんな期間にも関わらず、いきなりの2~3時間おきの授乳で睡眠もとれない。赤ちゃんと自分の世話だけで精一杯なのに夫の分の料理や洗濯も加わってきたら、ひとりで全部こなすなんで無理ゲーです。
なので産後は妻が働いている・働いていない関係なく、夫が全力かつ積極的に家事育児してちょうど良いくらいです。
育児レベルの格差をなくし”任せられる夫”へ
うちが夫の育休を取った大きな理由の1つがこれです。スタートラインを合わせて始めから2人で育児をしていくことで、夫婦間の育児格差をなくすことができるからです。
まわりでよく聞くのが、
「夫に任せても泣き止ませられないし、あれどうするの?これどうするの?とすぐ聞いてくるし、オムツ1つ替えるのもろくにできない。もう私がやったほうが早い」
という声。丁寧に旦那さんに教えて育てていけば、という意見もありますが、ただでさえママは疲れてるんです。疲れている中、1から丁寧に教える元気はなく、そうこうしているうちにも泣き声が攻めたててくるのでもう自分でやってしまって、結局休めない。ママだって初めから子育てできるわけじゃないんです。何もわからず不安になることもある中、スマホで毎日いろいろ検索して試行錯誤してみて、今に至るんです。そこでこういうやりとりが発生するとイライラが先立ってしまって、うまく任せられない、という声をよく聞いてきました。
なので、初めから2人で一緒に悩みながら育児していくことで、お互いの”育児レベル”を揃えたいという思いが強かったです。今では、”そろそろミルク増やしたほうがいいかな”、”オムツのサイズアップはいつ頃にしようか”、”こうしたらゲップがうまく出るよね”などと、なんでも相談しあえる存在になり、丸1日だって2日だって安心して夫に赤ちゃんを任せて外出することができます。精神的にも安定します。
妻が仕事復帰できる
上で書いたように、自分と同じレベルで夫が育児できるようになれば、安心して外出することができるため、ハローワークに行って職探しを再開したり、面接に行ったりすることができます。また、半分ずつ育児を負担することで1日のうちに自由な時間も持てるため、在宅ワークができたり勉強してスキルを身に着けたりもできます。
妻が専業主婦だから、といって夫が家のことを何もしなければ、妻は仕事がしたくてもずっと家や赤ちゃんから離れられませんよね。夫が十分に育児できるようになることで、妻の仕事復帰の機会も与えられるのです。
こどもの成長に向き合える
赤ちゃんは成長が目まぐるしいですよね。日々顔も変わるし、笑うようになったり、声を出すようになったり、遊んで喜ぶようになったり・・・☆そういう成長が毎日のように見られる貴重な時期を一緒に過ごして、喜びを共有したい思いがありました。
あっというまに成長してしまう赤ちゃん、かわいい時期をたっぷり味わいたいものです。
夫婦の時間が持てる
うちは共働き時代、互いに忙しく、転勤で離ればなれの時期が長かったので、夫婦で一緒に過ごす時間があまりありませんでした。私が退職してようやく一緒に過ごせるようになり、このたび育休を取ることで、やっと家族らしいゆったりした生活を送れています。いま専業主婦である、ということだけを切り取って見ると疑問に思う人はいるかもしれませんが、自分たち夫婦のこれまでの過ごし方を振り返ると、こういう期間が持てて本当に良かったと思っています。
将来について話し合ったり、子供が大きくなったときのことを想像したり・・・夫婦の会話を多く持てています。子供に感謝です。
家族それぞれのあり方があっていい
そもそも、奥さんが専業主婦だから家のことは奥さんがやるべきだとか、会社や国が男性の育休を推奨しているから取るべきだとか、周りに決められて選択することではないと思うのです。自分の人生なのだから。どのように過ごしたいか自分の頭で考えてやりたいようにやればいいし、家族それぞれあり方は違うのです。
会社の制度や法律で定まっているのだから、取りたいなら取ればいい。
夫にはお金を稼いできてもらい、効率的に役割分担したい家族はそれもあり。
もっともっと多様性を当たり前に感じることができる社会になるといいですね!
(おまけ~育休中のお金について~)
ちなみに、まだ育休中の給料は会社が払っていると勘違いしている人も多くいるようです。会社は育休中には(大抵)給料を1円も払っていません。国の雇用保険からこれまでの給料の約67%相当の手当が下りるだけです。
お金の心配がある人もいると思いますが、確かに手当金だけだと入ってくる額は減りますが、社会保険料(厚生年金、健康保険料)は免除になりますし、会社からの給与が0円の場合は雇用保険料もありません。なのでそれなりに生活はできています。
長い人生、1度は育休を取得して、家族との大切な時間を過ごしてみませんか☆